新未来マーケティング

ポストコロナの時代で活躍できる個人ビジネスのマーケティングについて解説しています。

“嫌われる勇気”から学ぶ、クライアントが最も成長する関わり方

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こんにちは。川畑です。

あなたは、「嫌われる勇気」を読んだことはありますか?

僕は、今更ながら3ヶ月前ぐらいに読んだのですが、非常に感銘を受けました。

もう、付箋とメモのオンパレードでしたw

ライターさんもすごく優秀な方なので、かなり読みやすいのに、それでいて内容が濃いという秀逸な1作でした。

 

嫌われる勇気は、一言で言うと「人生における悩みが全てなくなる考え方」だと思っています。

それほど、人間が生きていく上で起こりうるあらゆる悩みに対応するほど、人間社会の営みの本質が鋭く見抜かれていて、たくさんの人が役立てることができる内容でした。

だから200万部もヒットするほど、たくさんの人に響いたメッセージだったのだと思うんですね。

そして「嫌われる勇気」は、僕らのような対人でサポートするコンテンツビジネスを営んでいる人たちにとっても、重要なことを教えてくれています。

 

嫌われれる勇気の内容をしっかりと実践することができれば、クライアントが目の前の課題を、自分自身の力で解決する力がしっかりと身に付くような関わり方をできるようになると僕は考えています。

ここで少し誤解を生んでしまいそうなのですが、結果を出させることと、目の前の課題をクリアできる自己解決力が身に付くことは、似ているようで全然意味が違います。

そして多くの人は、結果を出させることばかりにフォーカスしてしまい、クライアントの実力そのものを向上させることをあまり考えていません。

 

例えば、とある起業塾とかだと、参加者の8割が結果を出すようなところがたまにあったりします。

その数字だけ聞くと、「えっ、すごい!」となるのですが、よくよく話を聞くと、その塾で成果を上げた人が、1〜2年後にうまくいった仕事を手放してしまい、会社員に逆戻りするという現象が起きているんですね。

なぜかと原因を考えていくと、その起業塾で参加者が一致団結し、盛り上げていくことでアドレナリンを出すんですね。

僕は実際に参加したことがないので、そういった起業塾に参加された方の話を聞いただけですが、海辺で叫ぶワークとかあるみたいなんですよね。

そうして集団全体で勢いをつけて、結果を出していくというアプローチをするそうです。

すると、講師や周りの仲間の支えがあるので、いつもだったら越えれない困難も乗り越えていけるようになります。

しかし、いざ起業塾が期間終了し、その環境がなくなって1人になったときに、自分を助けてくれた講師や仲間がいなくなってしまうんですね。

結果、同じレベルの困難が来ても1人では乗り越えることができず、「あの時は良かったのに、やっぱり私はダメなんだ。」とかえって自己嫌悪が強くなってしまい、挫折してサラリーマンに逆戻りしてしまう…。

ということが、結構いろんなところで起こっているようです。

 

もちろん、そこで成功体験を得てそのままうまくいき続ける人もたくさんいるので、一概にダメとは言えません。

しかし、望んだ人生を手に入れることができなかった人もいることから、少なくとも“全ての人に適した関わり方ではない”ということが分かりますよね。

そう考えると、果たして「とにかくクライアントに結果を出させるために関わること」が正しい考え方なのだろうかは、疑問ですよね。

人生は長いですから、大事なことは「目の前の困難を自分自身によって乗り越えていける実力」を身につけることです。

この自己解決力を身につけてもらうことが、コンテンツビジネスでは重要になってくるのではないでしょうか。

 

確かに、思いっきり全てサポートしまくれば、結果を出させることはできます。

それに、実績も増えるので、その方向に走っていく人は多いです。

ですが、そこはグッと堪えて、クライアントが本当に自分が望む人生を手に入れることができるように導く関わり方を体得していくことが、僕らのような職種にとって大事なことなのではないでしょうか。

「嫌われる勇気」は、そんなクライアントが真の自己解決力を身につけるための、サポーター側としての関わり方を示してくれている、示教に富んだ1冊でした。

なので、今回の記事では、僕が「嫌われる勇気」から学んだクライアントとの関わり方を、余すことなくシェアしたいと思います。

 

蔓延する、歪んだサポートの形

「嫌われる勇気」を読んでいて、非常に強く感じたことは、冒頭にも書きましたが一般的な対人ビジネスは「サポートの形が歪んでいることが多い」というものでした。

クライアントとの関わり方が歪んでいくと、サポートの仕方も正しいものではなくなってしまい、結果クライアント自身の自己解決力が身についていきません。

 

具体的にどのような歪み方をしているのかというと、

  • とにかくクライアントの話に付き合って、満足させようとしてしまう。
  • クライアントの課題を提供者側が解決しようとする。
  • 指導する側、教えをこう側という主従関係になる。
  • 褒めたり、叱ったりしてクライアントのやる気を出させている。

これらよくあるやり方が、最も嫌われる勇気の考え方と大きく違う点です。

それでは、上記1つずつ見ていきたいと思います。

 

嫌われる勇気の教え1:クライアントの話に付き合いすぎない

まず1つ目にご紹介する、僕が嫌われる勇気から学んだことは「クライアントの話に付き合いすぎない」ということです。

僕がコンサルの時にクライアントの話を聞いていると、よく「お客さんの話を聞く時間がだんだん伸びてしまって、過剰だと思っててもお客さんの話が長くて、1回のセッションが長くなってるんです。」という話を聞きます。

そういう方の特徴としてあげられるのは、「クライアントを満足させなくちゃいけない」という潜在的な想いを感じるんですね。

そして、そのホスピタリティ溢れる精神は素晴らしいのですが、ことコンテンツビジネスにおいては、その考え方は間違いです。

というのも、お客さんが払って受けているセッションには、何かしらの目的があったはずです。

 

例えば、パートナーシップ系コンサルとかでしたら、「パートナーとの関係をどう修復していくか」というのが目的になりますよね。

その場合に、あまりにもお客さんの話に付き合いすぎると、旦那さんの愚痴を聞く会になってしまいます。

旦那さんの愚痴会がエスカレートすると、奥さんは愚痴を話すほど「ウチの旦那はダメなやつ」という確信が深まってしまいます。

本末転倒ですね。旦那さんの信頼度が奥さんの中で、セッションを通じて下がってしまうわけです。

すると家の中での喧嘩はどんどん絶えなくなり、最終的に離婚してしまう…。

 

なんでやねーん!!

って突っ込みたくなるようなことが、現実に起こってしまいます。

これは完全に「パートナーとの関係を修復したい」という目的を忘れた関わり方をしてしまっているからに他なりません。

ここから分かることは、「クライアントの話に付き合いすぎてはいけない」ということです。

そのセッションの目的からそれてしまうようであれば、バシッと一旦話を遮るのも大事です。

 

「嫌われる勇気」には、「人は怒りを捏造(ねつぞう)する」という章があります。

そのことを端的に表す分かりやすい例え話があったので、引用します。

あるとき、母親と娘が大声をあげて口論していたそうです。すると突然、電話のベルが鳴りました。「もしもし?」。慌てて受話器をとった母親の声には、まだ怒りの感情がこもっています。ところが電話の主は、娘が通う学校の担任教師でした。そうと気づいた途端、母親の声色は丁寧なものに変化します。そのままよそ行きの声で5分ほど会話を交わし、受話器を置きました。と同時に、再び血相を変えて娘に怒鳴りはじめたのです。

ー中略ー

要するに、怒りとは出し入れ可能な「道具」なのです。

(嫌われる勇気p35より)

つまり、“怒り”という、最もコントロールが難しそうな感情も、人は何かの目的を果たすために「道具」として使っているんですね。

これが、嫌われる勇気でいう「目的論」なんですよね。

上記に引用した例え話でいうと、母親は娘に対して「自分の意見は正しいから娘にも受け入れさせよう」という目的が先にあり、反抗する娘に対して“怒り”という感情を使って従わせようとするわけですね。

 

よく心理学の世界では、今の人の行動は過去に原因があるから、その原因をしっかり解消して初めて新たな人生を歩める。みたいなこと風に考えます。

ところが「嫌われる勇気」の主張は違います。

みんなそれぞれ目的を必ず設定していて、その目的を達成するために感情や行動を作っている。

ということなんですね。

つまり、この目的を“人生が不幸になる方向”に設定してしまっていたら、その人の人生は不幸になってしまいます。

シンデレラ症候群とかも、まさにそれを象徴する1つの例だと思います。

シンデレラ症候群とは、かわいそうな自分を作り出すことによって、注目を集めて承認欲求を満たそうとする、少し歪んだ欲の満たし方をしてしまう人のことを指しています。

この発想の目的は「かわいそうな自分を作って注目を集めること」となります。

かわいそうな自分を選択するのは、一度不幸にならなければならないので、幸せを得るのはとても大変になってしまいます。

このように、間違った目的を設定して生きている人が、非常に多いのが現状なんですね。

 

ですから、コンサルやセッションなどで相手とクライアントをするとき、まず目を向けるべきは「クライアントが何を目的に活動しているか」なんですね。

クライアントが間違った目的を選んでしまっていることが、すごく多いです。

そのクライアントが、心から本当に望む目的を設定できているのか?

これを、サポートする立場として、一緒に再設定してあげる必要が出てくるかもしれません。

目的が、その人にとって幸福な人生へ向かえる方向に設定できれば、自ずと幸せに向かって突き進んでいけるようになりますから。

 

嫌われる勇気の教え2:課題の分離

続いて2つ目にご紹介する、僕が嫌われる勇気から学んだことは「課題の分離」です。

コンサルティングやセッションなどを提供していると、クライアントがなかなか結果を出せなくて、提供する側が病んでしまうことがあります。

気持ちはとてもわかります。

それに、それだけ責任感を持って仕事に取り組む姿勢自体は、とても大切な姿勢だと思います。

ただ、あまりクライアントの結果が出ないことや、思ったようにことが進まないという現象に対して気持ちが引っ張られ過ぎてしまうと、かえって非効率になってしまう側面もあります。

もちろん、クライアントが望む結果を手に入れることが一番ですし、そうなるように関わっていくことが望ましいように思えますよね。

しかしながら、あまりにもクライアントが望む成果を手に入れることにこだわり過ぎて、関わり方を間違えてしまったら、お互いが不幸になってしまう可能性があるんですね。

 

例えば、僕が共同運営しているビジネススクールで、コンサルタントとして関わった会員さんがいたのですが、その方は半年後に退職を控えていました。

こちら側としては、半年後に退職することを決めて、そこに向けてロケットスタートを狙っていくことはとてもリスクがあるから、あまりオススメできるものではない。

最悪、家族も一緒に巻き添えを食らって、みんなまとめて食いぶちを失うかもしれない、と。

これは僕が伝えたわけではないのですが、起業の世界はすごく厳しい世界で、夢見て起業してみた結果人生を壊した人が腐るほどいるから、危ない道はオススメできないとお伝えしたんですね。

 

それでも、本人が半年後に独立したいということを選択したので、こちらはそのサポートをすることにしました。

結果的には本人がものすごく頑張ったので、独立前に300万円以上の売上を立てることができ、理想的なスタートダッシュを切ることができました。

 

なぜ、この時にその会員さんが結果を手に入れることができたのかというと、本人が覚悟を決めたからだと思うんですよね。

自分自身の手で、目の前の課題を解決しなければ、家族ごと食いぶちを失ってしまうかもしれないという、強い危機感のもと懸命に動いていました。

この時に、もし依存関係を作って、「僕が絶対成果を出させるんで、安心してくださいね。」ということを言っていたら、もしかしたらその会員さんは退職する直前に売上を作ることができなかったかもしれません。

 

クライアントと関わっていく上で、もっとも大切なことは「それは誰の課題なのか」というのをハッキリとさせておくことです。

「嫌われる勇気」では、『自分自身を変えるのは、自分しかいません(p143より)と、ハッキリと明言しています。

もし僕ら個人ビジネスを行う人間が、クライアントと依存関係を作ってしまったら、クライアントはあなたに課題を解決してもらおうとします。

課題を解決してもらおうとするということは、自分の人生なのにあなたの手によって変えてもらおうとするということです。

しかし、自分の人生は、自分以外の誰にも変えることはできません。

 

先ほどの会員さんを例に挙げれば、会員さんの半年後には売上を立てなければいけないという状況を、「僕に全て任せてください」と言ってしまったら、会員さんは僕に任せてしまっていたかもしれません。

しかし、売上を作るために商品を売るのは、会員さん本人しかいません。

それに、独立後も安定的に稼ぐために動き続けるのも、会員さん本人しかいないんですね。

もし会員さんを、本来自分の手で作るべき売上を“誰かに任せてしまう”というメンタリティにさせてしまったら、あの時ほど必死に動くことはなく、300万円という売上もなかったでしょう。

 

「厳しい道を自分で選んだのだから、自分がなんとかするしかない。」

そういうマインドで、退職前の半年間を過ごしたからこそ、自らの手で300万円を掴んだのではないでしょうか。

 

だから大前提として、クライアントが抱えた課題は、クライアント自身の手によってしか解決できないということを、お互いがしっかりと理解しておく必要があるのです。

このことを「嫌われる勇気」では、“課題の分離”と言っています。

われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他社の課題とを分離していく必要があるのです。

(中略)

およそあらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと━━あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること━━によって引き起こされます。

(中略)

誰の課題かを見分ける方法はシンプルです。「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考えてください。

(嫌われる勇気p140~141より)

いくら仕事と言えと、我々サービス提供者と、クライアントとの関係も、人間関係にカテゴライズできますよね。

そして多くの場合、提供者とクライアントとの関係のもつれは、そもそもスタート時点で「誰が課題を解決すべきか」というのを、間違った認識でスタートしてしまっていることが原因になっています。

 

ハッキリ言ってしまえば、僕らはどれだけ心理学やコーチングなどを学んだところで、クライアントの課題を解決してあげるような万能さを身につけることはできないのです。

なぜならクライアントの課題を解決できる人間は、クライアント自身しかいないからです。

「嫌われる勇気」でも、クライアントとの関わり方についてこのように書かれています。

アドラー心理学のカウンセリングでは、相談者が変わるかk笑ないかは、カウンセラーの課題ではないと考えています。

(中略)

カウンセリングを受けた結果、相談者がどのような決心を下すのか。ライフスタイルを変えるのか、それとも変えないのか。これは相談者本人の課題であり、カウンセラーはそこに介入できないのです。

(中略)

無論、精いっぱいの援助はします。しかし、その先にまでは踏み込めない。ある国に「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない」ということわざがあります。アドラー心理学におけるカウンセリング、また他者への援助全般も、そういうスタンスだと考えてください。本人の意向を無視して「変わること」を強要したところで、あとで強烈な反動がやってくるだけです。

(嫌われる勇気p142~143まで)
※アドラー心理学とは、嫌われる勇気の元になっている考え方のこと。

僕らがこのスタンスでクライアントと関わるからこそ、クライアントは「自分自身の手で課題を解決しなければならない」と自覚します。

そして、自分自身の力で変わろうとするところを、僕らが精いっぱいサポートしてあげるのです。

この関係性を築くことができて、初めてクライアントが自分史心の力で人生の道を切り開いていく力が身につきます。

 

あなたの課題を僕が解決してあげます。

ということを言ったら、売上は伸びるでしょう。

しかし、売ってしまった後が、大変になってしまいます。

クライアントも本来身につけるべき力がつかなくなってしまうので、お互い不幸になってしまいます。

だから、目先の売上よりも、売る前の段階からしっかりとクライアントとの正しい関係を構築していくように、努めていきましょう。

 

嫌われる勇気の教え3:叱ってはいけない、ほめてもいけない

続いて3つ目にご紹介する、僕が嫌われる勇気から学んだことは「叱ってはいけない、ほめてもいけない」ということです。

仕事柄、いろんなコンサルタントや塾のサポートスタイルの話を聞くのですが、本当に様々な関わり方があるんだなぁと実感します。

中にはろくでもない話もあって、とある起業塾では、主催者が「私を師と仰ぎなさい。」と塾生に言ってるらしいんですよね。

 

上記のは極端な例としても、ビジネス系の塾ではよく主催者のことを、塾生さんたちが「メンター」と仰いでいるのをよく見かけます。

それってちょっと違うと思うんですよね。

というのも、多くの起業塾で“主従関係”を築いているからです。

実際に、塾の主催者と話をしていると、ナチュラルに主従関係を作るのが得意な人がとても多いです。

つまり、自分が「上」という立場をとって、「成功する人は素直な人です」とか言って、言うことを素直に従わないことを悪とするような教育をしていくわけですね。

おそらく、そうやって上のポジションを取らないと、生徒さんたちはついてきてくれないと思っているのでしょう。

 

ですが、「嫌われる勇気」では、そういった上と下を作る関係性を、否定しています。

実際に、嫌われる勇気にはこう書かれた一文があります。

そもそも劣等感とは、縦の関係の中から生じてくる意識です。

(嫌われる勇気p199より)

「劣等感」は、人生に不幸をもたらすネガティブな感情です。

人と比べ、自分はできていないと思い込んでしまう…。

そうして必要以上に凹んでしまったり、反転して自慢話をしないと自分を保っていられなくなります。

劣等感が強いと、必要以上に自信をなくしてしまったり、逆に相手のことを蹴落として、自分の方が優れているという証明に走ってしまいます。

だから、人と比べる劣等感は、悪い影響がとても強いんですね。

 

縦の関係は、そんな劣等感の根本にある原因なのです。

縦の関係というのは、上と下、という区分で優劣を決めます。

上にいる側の人間が優れていて、下にいる側の人間が劣っている。

そういう色眼鏡がかかった状態で、常に人間関係を見ていくようになるので、それに釣られて「僕は優れた人間でなければならない」というプレッシャーをずっとかけながら生きていくことになってしまいます。

当然、世の中には上には上がいるので、「自分は下にいる側の人間である」「自分はあの人より劣ったダメな存在」という重荷を常に抱えながら生きていかなければなりません。

これは、生き方として本当に辛い。

だから日本には、驚くべきほどコンプレックスを抱えながら生きている人が多いんですよね。

 

そして、「叱る」「褒める」という行為は、縦の関係を作る効果があります。

「嫌われる勇気」でも、以下のように書かれています。

褒めるという行為には「能力のある人が、能力のない人に下す評価」という側面が含まれています。

(嫌われる勇気p197より)

おそらく、クライアントに対して知らず知らずのうちに、ほめたり、叱ったりしている人はとても多いと思います。

実際に学生の教育の現場でも、褒めると叱るをサンドイッチにすると効果が出て、子供の能力が伸びていくと考えている人もいるぐらいですから。

僕ら日本人は、褒めたり叱ったりするのが当たり前の土壌で育ってきているので、ほとんどの人が叱ったり褒めたりしながら、無自覚にクライアントと縦の関係を作り、劣等感を与えているということになるんですね。

僕らのような対人ビジネスを行う人間は、無自覚のうちにクライアントに劣等感を植え付け、不幸にしてしまっている可能性があることを、自覚しなければなりません。

 

また、こうした縦の関係は力関係の上下を示しているため、下側にいるクライアントの課題を、上側にいる僕ら側が解決すべき、という図式にも発展してしまいます。

これは先ほどの“課題の分離”にも繋がる話なのですが、上下関係が出来上がると、上側の人間が、下側の人間の課題に介入します。

しかし、その課題を解決できるのは、その課題を抱えているクライアント自身しかいません。

結果、クライアントは「なんであなたは僕の課題を解決できないんですか!」という裏切られた気持ちと怒りの感情がこみ上げていき、仲違いしてしまいます。

商品を売った後、サポートの段階でよくクレームが来る人には、こういったパターンにハマっている人も少なくないでしょう。

 

以上の、

  • クライアントに劣等感を与えてしまい不幸にする
  • クライアントの課題を僕ら提供側が解決しようとするいびつな関係に発展する

この2点から、縦の関係は作るべきではないということがわかってきます。

だから、「褒める」「叱る」などと言った関わり方で、クライアントを引っ張ろうとしてはいけないのです。

 

 嫌われる勇気の教え4:勇気づけ

最後に4つ目にご紹介する、僕が嫌われる勇気から学んだことは「勇気づけ」です。

3つ目の教えのところで、縦の関係は作るべからず、ということをお伝えしました。

「嫌われる勇気」では、縦の関係ではなく“横の関係”を作ることを提唱しています。

横の関係とは、言いかえれば“対等”に接していくということです。

すると、クライアントに対するサポートの形も変わってきます。

 

横の関係でサポートする上で重要になってくるキーワードは、「勇気づけ」です。

対等な立場として、本人が望む方向に進めるよう勇気づけ、可能な限り援助していくのです。

「嫌われる勇気」では、本人の課題に介入するのではない形で、「援助」をしていくという関わり方を説いています。

ではどのように関わるのか?それを嫌われる勇気では、「子供の勉強にどう関わるのか」というテーマに沿って解説しているので、引用しますね。

援助とは、大前提に課題の分離があり、横の関係があります。勉強は子どもの課題である、と理解した上で、できることを考える。具体的には、勉強しなさいと上から命令するのではなく、本人に「自分は勉強ができるのだ」 と自信を持ち、自らの力で課題に立ち向かっていけるように働きかけるのです。

(嫌われる勇気p201より)

この関わり方は、親が子どもの勉強に対してどのように関わるか、というシチュエーションに合わせて具体例を挙げていますが、僕ら個人ビジネスとクライアントとの関わり方でも、全く同じことが言えます。

 

要は、クライアントに命令、指示をしてはいけないんですね。

なぜならその課題は、クライアントが取り組むべき課題であり、クライアント自身の手によって解決すべき課題だからです。

だから、クライアント自身の意思や力によって、その課題は解決されなければならないのです。

そうやって、課題を解決することを通じて成長してもらい、同じ課題が来ても難なくクリアできる解決力を身につけてもらうことが、最も大切なんですね。

もし仮にクライアント自身の課題解決能力が身につかず、専門家の力を頼らないと解決できないままだと、そのクライアントはずっと誰かに依存しなければ生きていけない、非常に不自由な人生になってしまいます。

だから、命令や指示ではなく、クライアントが下した決断に沿った援助をしていくだけにとどめるべきなんですね。

 

ただ、ごっちゃにして欲しくないのは、命令や指示はしないからといって、何もしないという放任主義をとるのも違います。

何か困ったらいつでも助けになるというスタンスは変えず、見守っていくことはとても大切です。

クライアントは迷うこともありますし、課題が見えなくなりパニックになることもあります。

そういったときは、専門家として状況を見える化してあげたり、課題を明確化してあげたり、次取り組むべき解決策を提案したりすることは必要になってきます。

そういった、知恵を貸していくという援助は行っていきましょう。それが仕事なので。

 

ただ、僕らができることというのは、僕ら専門家の立場から見た「今取り組むべきこと」を提案するだけなんですね。

嫌われる勇気ではよく「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない」という言葉が出てきますが、まさにこの言葉の通りです。

この言葉は、馬に水を呑ませてやりたいと思って水辺に連れていくことはできても、そこで水を呑むかどうかを選択するのは馬自身である、ということのことわざです。

「今取り組むべきこと」を提案し、水辺に連れていくことはできます。

あとは、その水を呑むかどうかを決めるのは、クライアント自身なんですよね。

 

きっと、もどかしい瞬間はあるでしょう。

「あぁ、今すぐこれをやってくればヒョヒョイっとうまくいくのに!!」

と、手を出したくなってしまう瞬間はあるでしょう。

しかし、そこで手を出し過ぎてしまったら、それは“課題の介入”になり、クライアント自身の成長の機会を奪ってしまいます。

成長の機会を奪ったまま解決したら、次からはあなたなしでは解決できない、非常に依存的な存在となっていまします。

だから僕ら対人ビジネスを行う人間は、「生暖かく見守る」ということができる度量を身につける必要があるんですね。

しっかりと知恵は授けた上で、あとは生暖かく見守る。

そうやって関わっていくことで、クライアントの人生を変えていけるサポートが、初めてできるようになるのかなと僕は思っています。

し、僕はそうでありたいと願うと同時に、あなたにもぜひこの境地を目指していただけたらなと思います。

 

終わりに

いかがでしたか?

「嫌われる勇気」とは別の出典ではあるのですが、最近、僕の胸にすごく響いた言葉があるので、最後にそれをご紹介してこの記事を締めたいと思います。

その言葉とは、

  1. 聴衆は完全に無知であると思え 
  2. 聴衆は高度な知性をもつと考えよ

(「マックス・デルブリュック」より)

あなたのもとにやってくるクライアントは、おそらくあなたの専門分野に関して、何も知らない人です。

しかし、その人があなたと関わった時点で、何かを知っているか、知らないかは大した問題ではありません。

大切なことは、そのクライアントには「知性がある」という前提で関わることです。

 

知性の意味を調べると、「物事を知り、考えたり判断したりする能力」と出てきます。

つまり、僕らの知識をクライアントに正しく伝えることができれば、クライアントは自然と一番最適な判断を導き出すことができるということなのです。

もしクライアントが正しく判断できないのだとすれば、それはおそらく伝えている内容や情報が、どこかしら正しくないということになります。

そうやって常に、一番正しいクライアントとの関わり方を常に模索しつつ、知性のあるクライアントを導ける存在に、僕らは成長していかなければなりません。

 

決して課題に介入するわけではなく、かといって放置して援助不足にしてもなりません。

クライアントが最も成長できる距離感、関わり方を、常に見極めながらサポートしていかなければならないのです。

すごく難しいし、きついことです。

僕もサポートしながら、常に迷う部分です。

 

しかし、クライアントを引っ張っていく存在として、僕ら自信が理想の関わり方を追求して成長していかなければ、当然誰もついてきてくれないです。

繁栄するビジネスを構築していくというのは、こうした「理想のあり方を追求する」という姿勢そのものが、全ての土台になってきます。

対人ビジネスやコンテンツビジネスは、人間を直接相手にするだけに、とても奥が深い世界です。

ぜひ、一緒に理想の関わり方を、追求していきましょう。

この記事が、あなたのビジネスに対して何かしらのヒントになれば幸いです。